学生服と携帯
日向が立ち去った直後のサッカー部部室。 そこは一種の興奮状態が続いているのか、誰も何も言い出すことができず、張りつめた空気に包まれていた。 そんな中、タケシがおずおずと声をあげる。 「あ………あの日向さんの【携帯】、どう見てもポケベ……」 「黙れェェェェェェ!!!!!」 室内に響き渡る突然の大音声に、タケシだけでなくその場の誰もが固まった。 「「「わ…若島津……!?」」」 部員たちがおののく中、日向を見送ったまま仲間たちに背を向けていた若島津がゆっくりと振り返る。 数人が何か言いかけていたのを、手近にあった机を思い切り殴りつけることで黙らせた。 「どいつもこいつもちっさいことで俺の日向さんにケチつけやがって……!!」 「…で…でも若島津、あれはポケベーーー」 「二度とその名を口にするなーーーーー!!!」 再び机面に振り下ろされる(おそらく)正義の鉄槌。 完全に沈黙する机。もはやその場に異論を唱えられる者は一人もいなかった。 若島津は戦意を失った彼らを順々に底冷えする眼光でもって睨みつけていく。 「いいかお前ら………この東邦学園サッカー部ではな、日向さんが白と言えば白、黒と言えば黒なんだ! すなわち日向さんが『これは携帯です。』と言えば、例えそれが洗濯機だろうが冷蔵庫だろうが掃除機だろうがそれが携帯なんだ!携帯するものなんだよ!!むしろ携帯しとけ!!!わかったかーーーーー!!!!!」 部室用の掃除機を担ぎ上げ、ヘッドの部分を耳に当てて電話機のジェスチャーをしながら叫ぶ若島津に、一体誰が「いくら日向さんでもそりゃねーよ」と言えただろう。 その日、東邦学園では掃除機を携帯して帰宅する若島津の姿があったという。 |
2009.6.6UP
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ウチの若島津は日向さんの言うことには全肯定な影の番長(古)ですvv
まだ続くよ!