もう、何も望みはしないから。




お前の存在に
心が乱れ
お前の微笑に
胸が痛んだ

だからお前を手に入れたとき
もう、何も望みはしないと思った

だがそれは一瞬で―――

もう、何も望みはしないから
そんなことなどできやしない

お前に触れるたび
心が渇き
お前を抱くたび
俺は狂う

目も髪も声も皮膚も
おまえの纏っているもの全て
おまえの未来をも俺にくれ

俺の望みは大きくなる
お前が足りない
お前が欲しい

この痛みを止めてくれ
おまえの全てに満たされて
もう、なにも望みはしないからと
おまえの傍で笑わせてくれ

どうすれば満ち足りる
どうすれば欲望は消える

この苦しみを止めてくれ
おまえの全てで消してくれ





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