■渋谷有利+若島津健
■設定は二十年後
■パラレルということでお願いします。
■ハッピーエンド主義の方々は、どうかどうか読まないでください……orz

                                     (これはヒドイ!by.姫川)



正  解


「久しぶりだな、渋谷」
「お久しぶりです、ワカシー先輩」


渋谷有利と若島津健ーーー。
この二人が特務機関エロフの精鋭実動部隊、「はくレンジャー」第一期生として活躍していたのは、もう二十年ほど昔のことになる。

当時、二人は現役高校生としての学業と、世界の萌えの守り手としての責務を、他の二人の仲間とともに必死で両立させていた。
………そう、四人で。



「受け'S」と呼ばれた彼らには、それぞれに「攻め'S」という対の相手が存在していた。
渋谷ことはくブラックには、はくブルーことウェラー卿コンラートが。
若島津ことはくピンクには、はくホワイトこと日向小次郎が。
二人の攻め'Sは、いつでも受け'Sの傍らに寄り添い、その身に危険が迫った時には自らの身を顧みず、あるいは盾となって受けたちを命がけで守ってきた。
それは何故か?
………もちろんそこに『愛v』が存在したから。


ブルーからブラックへの愛は、熱く強く激しいわりにブラックの鈍さも手伝って1ミクロンも伝わっていなかったが、ホワイトとピンクは周囲の者があまりの暑苦しさにうっとおしくて多大な迷惑を感じるほど、いつでもどこでもTPOをわきまえずラブラブだった。
その後、一番年下のブラックが高校卒業と同時に眞魔国の魔王業に本腰を入れるため、エロフを抜けることになると、「ユーリのいないエロフなどクリ○プを入れないコーヒーのようなものだ」と若干古い例えを言い放ったコーヒーは(も)ブラック派の若年寄りコンラートも、ユーリについて眞魔国へ帰国してしまう。
二人が抜けるのは前々からわかっていたことだったが、それぞれの親友を失い、広くなったはくレンジャー本部に何となくやる気をなくした日向と若島津もレンジャーの座を後進に譲ることにして、やはり普通の男の子に戻っていった。

二人の再会はそれ以来、実に二十年ぶりのことなのだ。
ユーリは眞魔国に渡ってから、一度も若島津に顔を合わせる機会に恵まれなかったが、風の便りに二人がオランダで結婚したということを聞いていた。

「ワカシー先輩、全然変わってない。相変わらず美人さんだ」

そう言って微笑む後輩に、若島津も優しく微笑み返す。

「渋谷こそ、二十年前のキュートな少年のまんまだな」


そのまま会話は途切れたものの、二人の間に穏やかな空気が流れていく。
心地よい風に吹かれながら、ふと若島津がユーリに呼びかけた。


「……渋谷……」

「はい、先輩……?」

「俺………ダンナ選び間違えたよ………」


ユーリは深く切ないため息を零した。


「ワカシー先輩、だからあの時おれが止めたでしょ、『マザコン・借金持ち・ヘタレはやめとけ、苦労する』って……」

長い睫を震わせる若島津から視線を外して、ユーリは空を見上げる。


「……おれはやめといたよ……」




ユーリと一緒に眺めた空に、若島津には儚く微笑むコンラートが見えた気が、した。


2009.6.3UP



本心では私もこのカップルたちはいつまでも一緒に幸せでめでたしめでたしでいるといいなと思っているんです。
出来心なんです。


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